各位:
この度、[A03](東京藝術大学寮 藝心寮内)において、デンマーク・コペンハーゲンを中心に活動している「AUGUST HUGO(オーガスト・ヒューゴ)」− Untitled 008 − の展覧会を開催する運びとなりました。
ヒューゴ氏は1997年生まれの弱冠24歳のアーティストであり、またインダストリアルデザイナーとしてもめざましく活動しています。彼の視覚伝達の基本は、作品の表層とその内側やシンメトリカルなバランスと調和に重きがおかれ、内部性だけではなく外部との調和のバランスをつねに追求しています。薄いステンレス鋼をエンボス加工することで表面と空虚の内部関係を明瞭化させています。
今回、[A03]で日本初公開となる3つのステンレス鋼の作品は、2020年に新しく設立したスタジオで生み出された最新作です。
その作品は、1953年にイギリスの建築家アリソン&ピーター・スミッソンによって定義された「ブルータリズム (Brutalism)」の建築様式に反映されています。荒々しさを残し、打放しコンクリートなどを用いた彫塑的な建築様式は、ル・コルビュジエやルイス・カーンの建築が挙げられ、彼の作品はその「ブルータリズム」と「ロマンチック」のシンメトリーかつ真逆のアシンメトリーの構図で形成されています。
作品の中心部分にはエンボス加工により空洞が施され、その空洞は、光学的な反射によって作品内部から外部に向かう光の動きが発生し視点が誘導されます。
また、質量としての彫刻から、場としての彫刻/レリーフへと発展させているようです。その展開はイギリスを代表する彫刻家ヘンリー・ムアが彫刻の中心に穴を開けたように、またアメリカの美術家カール・アンドレが彫刻から台座を取り外し場として彫刻を提唱したように、ある種美術とデザインの垣根を辛辣に風刺しているようです。
一方でインダストリアルデザイン領域では、椅子などの制作を同時進行させながら、光学系空間を仕切る実態と空虚の関係性に独自の視覚伝達の可能性を見出しています。
近い将来デンマーク・コペンハーゲンにおいて1997年生まれの同世代アーティストとして「オーガスト・ヒューゴ+福田周平」の二人展が計画されています。
尚、今回の[A03]の展覧会では、両者の作品を同時に鑑賞できるように福田周平の新作もインストールされ、二人の作品が共鳴した空間に構成されています。
皆様、ご予約の上、ご高覧いただきますよう、ご案内申し上げます。
「新型コロナウィスル感染症」の禍中にあって、ご高覧前日までの観覧予約とマスクの着用を重ねてお願い申し上げます。
[A03] 主宰 福田周平
展覧会詳細
展覧会: 「AUGUST HUGO(オーガスト・ヒューゴ)」− Untitled 008 −
会期: 2021年 10月1日(金)~31日(日)
午後3時~午後6時
*ご高覧にあたり前日までにE-mailにて鑑賞前日までのご予約が必要です。
コロナ禍にあって、ご希望に添えない場合もございます。予めご了承下さい。
会場: 120-0003 東京都足立区東和3丁目12-30
藝心寮内アトリエA棟03号
予約: E-mail: shuhei.199431sh@gmail.com
問合せ: Tel: 080-2085-0432(福田)
特記: A03 オープン記念企画(日本) Vol.9
参考資料:
「ARK JOURNAL VOL Ⅴ」の表紙
「ARK JOURNAL VOL Ⅵ」の一部作品掲載
「RUM」先月号にAUGUST HUGO+福田周平 紹介記事掲載
テキスト
パンフレット
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