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ウォルフガング・ライプ ミルクストーン ─Milkstone─
ウォルフガング・ライプは1950年、ドイツ・メッティンゲンに生まれ、1974年に医学博士号を取得した後、芸術家としての道を歩み始めたというユニークな経歴を持ちます。西洋文化圏にありながら、東洋、特にインドの文化や芸術に深い関心を寄せ、「生命の起源」を想起させる彫刻やインスタレーションを制作し続けています。 たんぽぽの花粉や蜜蝋、牛乳といった有機的な素材を用いたライプの作品は、単なる造形表現にとどまらず、素材そのものが持つ本質的な在り様を通じて、観る者を静謐で崇高な感覚へと導きます。 本展では、ライプの代表作のひとつとして知られる《ミルクストーン(Milkstone)》の初期作を展示いたします。白い大理石に注がれた牛乳が静かに石へと “浸透” していくその様は、素材のストイシズムと繊細な緊張感が共鳴し合う、他に類を見ない体験となることでしょう。自然光の差し込む CONCEPT SPACE の空間において、《ミルクストーン》が放つ静けさと時間の深まりを、ぜひご体感ください。 2026年4月 CONCEPT SPACE CONCEPT SPACE発足4


セラ・ケイシー 岩と硬い場所の間で ─Between a Rock and a Hard Place─
セラ・ケイシー作品(ロンドン、ヘンリー・ムア財団における新人作家展・2025) このたび、Ais(アートインスティチュート渋川)では、2006年の発足より20周年を迎えるにあたり、イギリスおよびスコットランドを中心に活躍する若手女性 アーティスト、セラ・ケイシー(SARAH CASEY) ─Between a Rock and a Hard Place─の展覧会を開催する運びとなりました。 セラ・ケイシーの作品は、極めて繊細な薄手の布や紙に施された彩色を特徴とし、その多くは植物染料を用いて制作されています。日光に含まれる紫外線による経年変化をあえて受け入れ、その色の移ろいを、彼女が着想源とする「氷」や「氷河考古学」に重ね合わせています。時間とともにゆるやかに変化していく色彩は、自然と人間の関係性、そして無常の美を静かに物語ります。 また、氷河が長い歳月をかけて岩を削り出す過程で生まれる「氷河粉(glacial flour)」のような微細な堆積物を素材として用い、タルカムパウダーのように滑らかで柔らかな表層を生み出しています。その技法にはスコットラ


至福の絵画/彫刻
このたび、Concept Space および Concept Space / R2 において、特別企画展「至福の絵画/彫刻」を開催いたします。 展覧会特別記事は こちら 本展では、1960年代の世界的な美術運動――「アルテ・ポーヴェラ」(イタリア)、「もの派」(日本)、そして「アンチフォーム」(アメリカ)――の流れの中から、アメリカを代表する二人の巨匠、 カール・アンドレ( Carl Andre )とロバート・ライマン(Robert Ryman ) に焦点を当て、現代の絵画と彫刻の本質に迫ります。 カール・アンドレ《Copper Galaxy》の空間体験 (Concept Space) 彫刻を台座から解き放ち、「場そのもの」を作品に変えたカール・アンドレ(1935–2024)。 鑑賞者と彫刻が同じ地平にあることを提示したその表現は、彫刻の概念を大きく更新し、インスタレーションの先駆ともなりました。 展示される作品《Copper Galaxy》は、長さ101mの銅板を螺旋状に床面へ設置した代表作です。銀河のように広がる構成の中に、見る者自身が巻き込
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